評価制度はいつ作るべきか、従業員規模別に考える
「まだ小さい会社なので評価制度は早い」という声をよく聞きます。ただ、制度がないことのコストは、人数が増えるにつれて静かに積み上がっていきます。どのタイミングで何を整えるべきか、従業員規模を目安に整理します。
5名以下のフェーズ
この規模では、評価制度よりも「経営者が何を大切にしているか」を言語化することの方が先決です。評価の基準を文書にする前に、会社として何を評価したいかが経営者の中で整理されていないと、制度を作っても形骸化します。
まずは「こういう仕事の仕方をしてほしい」という期待を、口頭ではなく文書で共有することから始めると良いです。これだけでも、スタッフとの認識のずれが減ります。
10〜20名のフェーズ
このあたりから、「なぜあの人が昇給したのか分からない」という不満が出始めます。経営者が個別に判断しているうちは問題が見えにくいですが、比較が生まれると不満が表面化します。
このフェーズで整えるべきは、等級の定義と評価の基準の文書化です。精緻な点数表は必要ありません。「この等級の人はこういう仕事ができる」という記述が全員に共有されているだけで、納得感はかなり変わります。給与テーブルの設計は社労士との連携が必要な部分もあるため、外部専門家を早めに巻き込むことをお勧めします。
30名以上のフェーズ
この規模になると、評価制度の設計だけでなく、制度を運用するための仕組みも必要になります。評価者によってばらつきが出ないよう、評価者訓練を実施することが重要です。また、スタッフが評価結果に疑問を持ったときの対話の手順を明文化しておくと、トラブルを未然に防ぎやすくなります。
- 等級定義と評価基準の文書化(全等級分)
- 評価者訓練(評価のばらつきを減らす)
- 異議申し立ての手順の明文化
- 制度の定期的な見直しサイクルの設定
評価制度の設計は、一度作ったら終わりではありません。会社の成長に合わせて見直すことを前提に、最初は「シンプルで全員が理解できるもの」から始めることをお勧めします。